言われたことしかできない部下を考える

「言われたことしかできない」のは、やる気の問題?

「最近の若手は、言われたことしかやらない」「もう少し自分で考えて動いてほしい」

管理職の方から、よく聞く言葉です。

でも、本当に本人の「やる気」だけが原因でしょうか。もしかすると、自分の仕事が何につながっているのかが見えていないのかもしれません。

「何のためにやるのか」が見えると、仕事は変わる

仕事の「意味」について調べた研究があります。44の研究、23,000人以上を分析した研究では、「自分の仕事には意味がある」と感じることは、仕事への満足度やワーク・エンゲージメントなどと関連していることが報告されています。

特に若手社員は、経験が少ないため、仕事の全体像がまだ見えていません。上司には当たり前に見えている「この仕事が何につながるのか」「なぜ今これが必要なのか」が、部下には見えていないことがあります。

たとえば、

「この資料、金曜日までに作っておいて」

これだけでは、部下に見えているのは「資料を作る」という作業だけです。

一方で、

「この資料は来週の経営会議で使うんだ。来期の施策を決める材料になるから、今回は特にこの数字を正確に確認してほしい」

と伝えたらどうでしょう。

「資料を作る」という作業は同じでも、自分の仕事が何の役に立つのかが見えてきます。

WHAT・HOWだけでなく、WHYを伝える

忙しくなると、上司の指示は「何をするか(WHAT)」「どうやるか(HOW)」に偏りがちです。

しかし、主体的に動いてほしいのであれば、もう一つ伝えてほしいのが、**「なぜ、それをするのか(WHY)」**です。

「この仕事は誰の役に立つのか」「次のどんな仕事につながるのか」「チームの中でどんな役割があるのか」「なぜ今、必要なのか」

こうしたWHYがわかると、目の前の仕事を単なる「作業」ではなく、全体の中の「仕事」として捉えやすくなります。

「指示待ち」を減らす、もう一つのポイント

さらに大切なのは、WHYを伝えたあとです。

「今回の目的は○○です。では、あなたならどう進める?」

このように問いかけて、本人に考えてもらいます。

上司が「何をするか」「どうやるか」まですべて決めてしまえば、部下は考える必要がありません。それを繰り返しながら、「もっと自分で考えて」と言われても、なかなか難しいものです。

だから私は、若手の主体性を高めるためには、

WHYを伝える → 問いを投げる → 本人に考えてもらう

この流れが大切だと考えています。

「もっと主体的に動いてほしい」と感じたとき、部下のやる気を見るだけではなく、まず自分自身に問いかけてみてください。

「私は、この仕事のWHYまで伝えているだろうか?」