人は「異動」で辞めるのではなく、「納得できない異動」で辞める?
人事異動は、組織にとって必要なものです。
本人の成長、新しい経験、適材適所、組織の活性化など、さまざまな目的があります。
ところが、その「異動」が社員の離職を考えるきっかけになっているとしたら、どうでしょうか。
異動経験者の56.9%が「離職・転職」を検討
HRBrainが人事異動・配置転換を経験した378名を対象に行った調査では、56.9%が異動をきっかけに離職・転職を検討したと回答しています。
半数を超える数字です。
ただし、「異動=悪い」ということではありません。
注目したいのは、異動に伴うコミュニケーションです。
同調査では、異動時の説明が「5分未満、または口頭説明なし」だった人のうち、40.5%がコミュニケーション不足への不満を感じていました。
会社にとっては数ある人事異動の一つでも、本人にとっては、仕事内容、人間関係、キャリア、場合によっては生活まで変わる大きな出来事です。
それにもかかわらず、
「来月から○○部ね」
「会社で決まったことだから」
「詳しくは新しい部署で聞いて」
これだけで終わってしまったら、社員はどう感じるでしょうか。
説明されない「空白」を、社員は自分で埋める
異動を告げられた社員が知りたいのは、配属先だけではありません。
「なぜ自分なのか」
「会社は自分に何を期待しているのか」
「今までの仕事はどう評価されていたのか」
「この異動は今後のキャリアにどうつながるのか」
こうしたことがわからなければ、
「今の部署では必要とされていないのでは?」
「評価が低かったのでは?」
「会社は自分のキャリアなんて考えていないのでは?」
と、会社が説明していない「空白」を、社員自身が埋め始めます。
もちろん、それが会社の本当の意図とは限りません。
会社側には悪意がなくても、説明不足によって社員の受け止め方とのズレが生まれる。
これは人事異動に限らず、組織の中で非常によく起きることです。
必要なのは「希望通り」より「納得できること」
社員の希望をすべて叶えることはできません。
組織である以上、本人が望んでいない異動が必要になることもあります。
だからこそ重要なのが、納得感をつくるコミュニケーションです。
「希望通りだから納得する」だけではありません。
希望とは違っていても、
なぜこの異動なのか。
本人のどんな強みを見ているのか。
何を期待しているのか。
この経験を今後どう活かしてほしいのか。
そこまで伝えることで、同じ異動でも受け止め方は変わります。
人事異動を「辞令」で終わらせない
離職対策というと、福利厚生や待遇、制度などに目が向きがちです。
もちろん、それらも大切ですが、社員が会社に対して感じる
「自分はメンバーからどう見られているのか」「この会社で自分はどうなっていくのか」という感覚は、日々のコミュニケーションによってもつくられます。
異動を単なる「配置」の問題として終わらせず、本人の成長や期待を伝える機会に変えること。
これも離職抑止の一つではないでしょうか。
弊社では、管理職の説明力・部下とのコミュニケーション、1on1、若手社員の主体性向上など、人材定着につながる管理職育成をご支援しています。
「社員に会社の意図が伝わっていない」
「管理職によって部下との関わり方に差がある」
「若手社員の離職理由がよくわからない」
こうした課題がございましたら、お気軽にご相談ください。
出典:株式会社HRBrain「人事異動・配置転換に関する意識調査」(2026年9月公表)





