「まさか、あの社員が辞めるとは思わなかった」
大きな不満を言っていたわけでもない。仕事も普通にこなしていた。それなのに、ある日突然「退職します」と告げられる。
近年、このように退職の意思を周囲に伝えず、水面下で転職活動などを進め、会社を去ることを「サイレント退職」と表現することがあります。
■「静かな退職」と「サイレント退職」の違い
前回ご紹介した「静かな退職」と名前は似ていますが、意味は異なります。
静かな退職=会社には在籍するが、必要以上に仕事にエネルギーを注がず、決められた仕事を淡々とこなす。
サイレント退職=退職の意思を周囲に伝えず、水面下で転職活動などを進め、実際の退職に向かう。
静かな退職をしている人が、必ずサイレント退職に進むわけではありません。
ただ、共通しているのは、会社側から社員の本音が見えにくいことです。
■ 怖いのは「不満」より「何も言わなくなること」
社員が不満を言うことは、必ずしも悪いことではありません。
「もっとこうしてほしい」「このやり方を変えてほしい」
そう言っているうちは、会社に期待しているとも考えられます。
むしろ気をつけたいのは、
「以前は提案していたのに、何も言わなくなった」
「会議で発言しなくなった」
「頼まれた仕事だけをするようになった」
「1on1でも『特にありません』『大丈夫です』で終わる」
といった変化です。
「言っても仕方がない」「どうせ変わらない」と思えば、人は次第に何も言わなくなります。
表面上は問題がないように見えても、会社との心理的な距離は広がっているかもしれません。
■「1on1をしているから大丈夫」とは限らない
もちろん、1on1や日常のコミュニケーションは重要です。
しかし、「こんなことを言ったら評価に影響するかもしれない」「上司に言っても変わらない」と感じていれば、本当に困っていることほど話さないことがあります。
一方、上司は「相談されていないから大丈夫」と考えてしまう。
ここに、上司と部下の認識のズレが生まれます。
■「辞めます」と言われる前に、組織の状態を知る
退職面談で「実は半年くらい前から悩んでいました」と言われても、会社側ができることは限られます。
大切なのは、
まだ辞めていない社員の“小さな違和感”を、どれだけ早く見つけられるか。
頑張りが承認されているか。上司との関係に問題はないか。自分の強みを活かせているか。意見を言える職場なのか。成長を感じられているか。
こうしたことは、離職率だけを見ていても分かりません。
弊社では、匿名の組織診断を活用して「組織の今」を可視化し、課題を読み解いたうえで、必要な研修や施策をご提案しています。
「辞めると言われてから」ではなく、「何も言わなくなった段階」で気づける組織へ。
「最近、社員が何を考えているのか分からない」「離職者が出てから対策する状態を変えたい」「1on1をしているのに本音が見えない」
そのようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。





